「瀬名先生驚かさないでください…。」

「ごめんごめん。」



よりによってここで瀬名先生に会ってしまうとは。

その後、お互いに口を割ることなく沈黙が生まれる。



「……あ、先生。飲み物買うなら、先どうぞ。」



自販機の前を空け、先生に譲る。



「ありがと。上の階コーヒー売れ切れててさ。」



そう言いながら手早くお金を投入し、ボタンを押す。



「でもまさか新沼に会うとは思わなかったわー。」



それはどういう意味で言っているんだろう。


嬉しいってこと?
それとも単に驚いたってこと?


先生は取り出し口からコーヒー缶を取り出す。



「何でだろうな、会っちゃうの。」