「新沼、あんな大声で声出して、周りに丸聞こえだから。テンション上がるのは分かるけれど、もう少し抑えて。」



瀬名先生が苦笑いしながら、私に話しかける。



「瀬名先生こそ楽しみなんじゃないんですか。さっきからキョロキョロして。」



あれだけ悩んでいてもいざ本人を目の前にすると、そんな不安なんて飛んでしまう。



「別にいいだろ、キョロキョロするくらい。人生初の北海道なんだから。」



先生も初めてなんだ。
何か返事をしようとしたら、



「瀬名先生ー!一緒に写真撮ってくださーい!」



知らない顔ぶれの女子生徒たちが瀬名先生に近づいてきた。

恐らく一般コースの子かな。



「1枚だけな。もう移動の時間だから。」

「わーありがとうございます!」



女子生徒と写真を撮る先生をよそに私は舞と話をした。