「北海道ー!!!」



私は新千歳空港に降りるなりそう叫んだ。



「うるさいよ、優佳。」

「だって初めてだもん。」



舞の言葉すら私の耳には届かないくらいテンションが上がっている。

私たちは今、修学旅行で北海道に来ている。

3泊4日で、札幌を初めて小樽や更に郊外の地を周ることになっている。

10月にも関わらず、もう長袖ではないとやっていけないくらい涼しい。



「ほら、お前ら静かに。そしてきちんと並べー。」



瀬名先生がクラスみんなに注意をする。

先生の久しぶりのスーツ姿に胸が高まる。

青色のキャーリーケース持っているんだ、とか新たな一面を知る。



あれから半月以上経ち、一時期よりは気持ちが落ち着いた。

でも、お互い好きでこんなにも近くにいるのに私たちの関係はただの教師と生徒なのが辛い。


卒業までの1年半待たなきゃいけないの?
卒業したらまた前みたいに付き合えるの?
それとも、このまま消滅させたままなの?


様々な疑問が私の頭の中を駆け巡る。