「うん……。まあ市田さんだって心当たりないのは明らかだから結果的にはこうなるとは思ってたけど。」



一連の事件が解決して、先生も1週間の自宅謹慎処分だけで済んだ。
市田さんが私の名前を出さなかったようで安心していいはずなのに、
ものすごくモヤモヤする。


私はこのまま第三者で良かったのだろうか、と。




その日の夜、スマホを触っているといきなりメールが届いた。

差出人は瀬名先生。

急いで開くと、今週空いている日があるかどうかのメールだった。

話したいことがあるって書いてあるけれど、
きっと今日の一連のことについてかもしれない。

私は返信をして、返事が来るのを待った。


それから2日後の夜、私と瀬名先生は会うことになった。



「ごめんな、いきなり呼んで。」

「大丈夫です。……和斗こそ大丈夫なの。」

「ありがと。まあ自分自身をみつめるいい機会にはなってるし。」



弱々しい笑顔を私に見せる。