「手空いてるけれど、どうした?」

「思ってたよりも人多くて午前中の分のジュースなくなりそうだから、家庭科室の冷蔵庫から持ってきてくれるかな?」

「うん、分かった。」



私は1階にある家庭科室に小走りで急ぐ。

ミニスカートだと思い切り走れなくてもどかしい。



「新沼さん!俺も手伝うよ。」



後ろを振り向くと息を切らした石井君がいた。



「女の子一人じゃ重いでしょ。俺も持つから一緒に行こ。」

「あ…ありがと……。」



石井君が追いかけてくれたことにびっくりして、返事がぎこちなくなってしまった。

私と石井君は冷蔵庫からジュースを取り出した。
確かにこの重さを一人で持つのはかなり大変だっただろう。



「石井君ありがとね。一緒に運んでくれて。」

「いえいえ。その…俺でよければいつでも頼っていいよ。喜んで引き受けるから。」

「…うん。」