「校内では今まで通り接して、外で会うのはなし。市田の様子伺ってしばらく電話やメールも控えよう。そうしたら付き合ってるのバレないとは思うけど。
そもそも今回のも俺の車が写っちゃったのが決定的であったわけだし。」

「そっか……。」

「だからこうやって会うことはもうやめた方がいいけれど、
電話とかだったらしばらくしたら出来るようになるから安心しな。」



先生は私の頭に手を乗せて心から安心させてくれた。

こういうことが出来るのも卒業までもうないだろう。

それは先生も分かっているのか、
別れる時は名残惜しそうに私の全身を強く抱いてくれた。



それから私たちは校内では関わらないようにした。

9月末の文化祭か近づくにつれて、
瀬名先生と話せないことの寂しさすら忘れてしまうくらい準備で忙しくなり、
あっという間に文化祭当日を迎えた。