「とぼけないでください。
この女は新沼さんでしょ。拡大すると、あなたと同じ鼻の横にほくろがある。」



確かに私には鼻の横に少し大きめのほくろがあるけれど、
そこまで市田さんに見られているとは。



「それに、この車。
この車のナンバーは先生のだから。」



意識が遠のいて足元から崩れ落ちそうになる。

この女、怖すぎる。



「どこにそんな証拠があるんですか、その車が瀬名先生のだって。」



精一杯虚勢を張って市田さんに反論するが、
市田さんはその攻撃にやられるどころか余裕の笑みで嘲笑う。



「私、言いました?瀬名先生って。
さっき私は先生としか言っていなかったんですけれど。」



やられた。

これで私が嘘ついていることがバレてしまった。