「新沼さん。」



聞き覚えのある声。

振り返ると、そこには噂の市田さんが立っていた。

まさかこのタイミングで会うとは。


「少しお話しがあるんですけれど、お時間ありますか?」

「この荷物置いてからでよければ…。」



何だろう、話って。

私は準備室に荷物を置いてから市田さんのところへ戻る。



「これ、見ていただけますか。」



市田さんは自分のスマホの画面を私にも見せる。

そこに映る画像を見て私は驚愕する。






瀬名先生の車とその車の中にいる先生とキスをしている私。



「こ……この画像がどうしたんですか。
車と女性が写っていますけど。」



必死に知らないふりをする。
しかし心当たりは大いにある。
塾の送り迎えをしてもらった時に撮られたのだ。