「ちょっと離せない用事あるから、この荷物準備室まで運んでくれるかな。ごめん。」



しかし、現実は違った。

まあ約束を守ってくれているからいいんだけど、少しがっかりしてる自分もいる。



「分かりました。
机の上に置けば大丈夫ですか?」

「ああ。じゃあお願い。」



そう言い、先生は足早に去っていった。



「ごめんね、舞。仕事頼まれたから、行ってくるね。」

「分かった。いってらっしゃい。」



私は先生から預かった荷物を持って、
4階の生物準備室まで足を運ぶ。

近くに物理室があるため、ここを通ること自体は頻繁にあるが、
生物準備室に入るのは相当久しぶりだ。



「ん?」



何やら人影が見える。

しかし気にしないで部屋に入ろうとする。