「そうだね。和斗今日電車でしょ。」

「うん。いやー電車にしてきて本当に良かったわ。
花火見ながら酒は最高だもん。」



すっかりご満悦な様子。

……キスもできたからでしょ、
なんて皮肉めいたことを言おうと思ったけど
自爆するようなものだから、やめておくことにした。



「優佳西坂町だよな?降りるの。」

「うん。多分途中まで一緒だと思う。桜田駅の方が手前でしょ。」



先生と一緒に電車乗るなんて新鮮。



「そうだな。……でも、桜田駅まで送ってもいいよ。
この時間に女の子一人なの心配だし。」

「いいよいいよ。学校ある日の塾の帰りとかで1人で帰ってたから。」



駅から家までも10分くらいだから、
そう遠くはない。

それに桜田駅から更に3駅くらい先になるし。