「あ……ごめんごめん。
その……あまりに可愛いから。」



下を向きながら、そう答える。


……これ、私の方が下を向いて照れたい気分なんだけど。



「あーやべ。ちょっと頭借りるな。」



頭?


言葉の意味が理解できないうちに、
頭の後ろに手を回されて先生の胸にうずめる形となる。

再び香水とコーヒーの匂いがし、
昨日のドキドキを思い出してしまう。

この鼓動が私のなのか先生のなのか分からなくなる。

胸から私を離し、頭の上に手を置く。



「あとでじっくり堪能してやるから。」



これだけでも心臓もたないのに、
じっくり堪能だなんて死ぬ気しかしない!!

私は心拍数を上がらせたまま先生と共に会場へ向かう。



「そうだ、飲み物買ってく?」

「そうだね。」



行く途中にあるコンビニに入り、飲み物を選ぶ。