「まだ入ってない…よ。」

「じゃ、行きますか。
……あ、俺甚平も浴衣も持ってないからな。」

「別にいいですよ。私も多分浴衣ないんで私服でいい?」

「ああ。」



確か前持っていたのは小さくなって他の物にリメイクした気がする。

私は家に帰ってから明日着る服を考えた。




花火大会当日、
私は待ち合わせ場所である桜川駅に着いた。

いつもよりメイクと髪に時間をかけまるで別人、とまではいかないけど、
自分ではないような感覚になり落ち着かない。



「ごめんね、お待たせ。」



駅前で待ってた先生の元に近づく。

先生は何故かあっけらかんとした顔で私を見る。



「和斗、どうした?」



先生の顔の前で手を振り、
ようやく我に帰ったようだ。