「それにしてもこのネクタイ買う人いるのかねー。」



先生が話を切り替えてくれて、救われた。



「それなら和斗買ったら?」



でも大人の男性だと意識してしまい、
平常心を保つのに必死だ。

この人に抱かれたりキスされたりしたらどうなるんだろうと、妄想してしまう。


先生の仮面を被っている時は何も感じなかったが、
こうして1人の男性である姿を見ると別の人みたいで緊張する。



「えー嫌だよ、学校に付けていくの恥ずかしいし。」

「私もせん……せん…千円なら買います!!」



かなり無理矢理感があったからか、
さすがに先生に不審そうな目で見られた。



「本当は何て言おうと思った?」

「え、いや、そのままだって。」

「本当のこと言わなきゃ罰ゲーム2倍にするけど。」



したり顔でぼそっと言う。