「うわっ何だそれビール柄って…。」



面白半分で、ビールのイラストがあしらわれたネクタイを持ってきた。

わたしは先生の首元にネクタイを当てる。



「似合うってこれ！」



顔を上げて先生の顔を見ながら言うと、
思っていたより至近距離でドキッとする。



「あ、ごめん……。」



思わず謝る。

先生も少し照れてる様子だけど、
私は尋常じゃないくらい心臓がばくばくしている。


口元の小さなほくろに気付いたり、
ヒゲが1本1本よく見えたり、
香水とコーヒーの匂いが入り混じった香りがしたり。

今までにない大人の雰囲気を感じ取ってしまい、
先生のことを変に意識してしまう。