「ただ、当たり前だけど外では先生って呼ばないように。でも学校ではきちんと先生と呼びなさいね。」

「それは分かってますよ!」



その後も他愛のない話をしていたら
あっという間にショッピングセンターに着いた。



「まず優佳の見たいところ見ていいよ。」

「それなら最初に雑貨屋見ていい?」

「うん。」



そして私たちは雑貨屋のあるコーナーに向かうことにした。



しかしさすが夏休み。

家族連れやカップルが多く、歩くのでも精一杯。

人波に飲まれて先生とはぐれそうになる。



「多いな、人。」



先生はそう口にし、私の手を掴んだ。


それも恋人つなぎで。


去年の夏、初めて先生と手を繋いだ肝試しの時とは違うドキドキが私を襲う。

あの時は感じなかったけれど、
先生の手、細いのにゴツゴツしてて大人の男性だなと感じる。