膝を見ると確かに出血してた。

先生は自分のポケットからハンカチを出して、傷口部分に当ててくれた。

「歩ける?」

「多分………歩けると思います。」



痛みはまだあるけど、何とか出口まで歩くことができた。

瀬名先生に救護室に行くように促されたので、向かうことにした。



─────それにしても瀬名先生が私に対して、
あんなに優しくしてくれるとは思わなかった。

さすがに怪我人相手には冷たくできないだけなんだろうけど。


しかし、それでも優しくしてくれたことに嬉しく感じている自分がいることに気付いた。



「失礼します。」

「どうぞー。」



救護室に入って、
保健室の水野先生にケガの状況を伝えた。



「これ一度流水で洗った方がいいかも。泥ついているから。
このハンカチも泥と血まみれだし。」



うわあ申し訳ない......。

これ洗ってきれいになるものかな?