プルルル プルルル


『はい、瀬名です。』

「先生、今時間大丈夫ですか。」

『うん。』



スピーカーの奥からかすかに雑音が聞こえる。

テレビを見ていたのかな、なんて想像をする。



「あの告白で、先生の気持ち知ることができて嬉しかったです。
正直、先生が私に恋愛感情を持っているだなんて思わなかったので。」



全くないと言ったら嘘になるけれど、あるって答えてもただうぬぼれている人になっちゃうし。



「私でよければお付き合いさせてください。」



勇気を振り絞って返事をしたが、
スピーカーから声が聞こえない。



ま……まさか、冗談だった……?



血の気が引く音がする。