「わー石井君ー!!頑張ってー!!」



いきなり女子たちが大声を出して応援し始めるから何事かと思ったら、
うちのクラスの石井君が選抜種目である100m走の予選に勝ち、本戦に出ることになったらしい。

爽やかな笑顔が絵になる典型的なイケメンで、
おまけに頭もよく運動神経も抜群で社交的なため、クラスの人気者だ。


……ってあれ、壮介!?

まさか壮介も本戦に出るとは思わなかった。

それも成長期真っただ中だからか、
付き合ってた時よりかなり背が伸びた気がする。



「あれ、あそこにいるの吉澤君じゃない?
隣に市田さんいるけど。」



へっ市田さん?

壮介の周辺をよく見ると、確かに壮介の隣に市田さんがいる。

何、あの二人知り合いだったの?



「あの二人そういう仲なんだ…。」

「何、市田さんにまた嫉妬してるの。相手は吉澤君なのに。」

「違うって舞。壮介のことはどうでもいいの。
あの組み合わせが意外だなって思っただけ。」

「ふーん。」



それから私たちも他の女子と一緒に応援をした。