……あっと言う間だったなあ。

もう瀬名先生と同じ教室で授業を共にすることがないのは、やっぱり悲しい。

私は、女子生徒と話をする先生を片目でちらりと見ながら生物室を後にした。


今日は唯一4時間目に生物がある曜日だったので、
教室に戻ったあと舞と一緒に昼ごはんを食べた。



「優佳どうなの、瀬名先生のこと。」

「どうなのって?」

「いや、告白以来特に何もないし関わる機会もなくなっちゃったから、
このまま諦めるのかなとか。」



そっか……。
授業がないということは、関わる機会も減るのか。



「寂しいけれど、その……脈もないの分かっているから
このままでいいかなとは少し思ってる。」

「……まあ、優佳がそう思っているなら、それでもいいと思うよ。
……って、こんなしんみりさせてごめんね。春休みの予定の話でもしよ。」

「そうだね。」



深く聞かずにいてくれたのは、今はちょっと、というかかなり楽になったかもしれない。