え、どういうこと。

それってまるで────





「なーんてな!
別に好きじゃない人でも大好きな生徒から貰えれば嬉しいから、
ほら、安心してチョコ渡しな。」



先生は作り笑いを見せ、2,3歩前へ進む。



「俺、残ってる仕事やらなくちゃいけないから先行くな。じゃ。」



いつの間にか先生は数メートルも先を歩いていた。



……何だあれ。

結局冗談ってこと?


それに、確実に一線を引かれた。

一度フラれているから分かっているのに。

重々分かっているのに、少し近付けただけですぐ期待してしまう。

雪の降りそうなくらいの寒々しい気温が、余計に私の心を凍らせる。