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「こんなところにいたのか。」


「はい。」


ゆっきーさんが黒崎くんに電話をして15分ほどして、黒崎くんが来た。


「で、俺とタイマンをはりたい、と?」


「はい。」


「勝てると思ってんの?」


「思ってません。」


「………ケンカの仕方、しってんの?」


「知りません。
学校では習いませんから。」


「………あ、そ。
じゃあ俺からいっていいわけ?」


「はい、どうぞ。」


私がそういうと、黒崎くんはこちらへ歩いてきた。
そして………


「いっ、た…」


「俺は女を殴るほど腐ってねーよ。」


私のおでこに思いっきりデコピンをした。
たったそれだけのことなのに、痛くて泣きそうだった。


「桜子」


黒崎くんは私の名前を呼び、その瞬間


「わっ…」


私の腕を引き、私は黒崎くんの胸の中へダイブした。


「もう、強がんなよ。
お前はもうひとりじゃないから。」


たったそれだけのこと
たったそれだけのことなのに

私の胸にはグサリと刺さった。