「でもさ、桜子もあの快斗を変えたんだからすごいよな。」


「え?」


「快斗ってさ、おちゃらけてて誰とでも仲良くできるけど、すぐ裏切るんだよ。
本当は彼女だって何人もいたんだよ。
だけど高校入って数日で、全員の女と別れてさ。
万引きにケンカも日常茶飯事。
ナンパして、ヤり捨てとかな。
それがパタッとなくなったと思ったら桜子をつれてきた。
そしたらこの前なんか、いい人になる宣言してたし。
禁煙もはじめたし。
そもそも、あいつが猫を拾ったのだって今までの快斗ならありえなかった。
はじめてさくらをあそこに連れてきたとき、めずらしいこともあるんだなって言ったら、俺にはこれくらいしかできないからな~って言ってたし。

確かに桜子は美人だと思うけど、俺には快斗がそこまでハマる理由がわからない。
だから俺はもっと桜子のこと知りたいって思ってる。

………だからさ、桜子が本当に嫌ならいいけど、少しでも俺らのことを受け入れてようとしてんなら
戻ってくれば?ブラスパに。
仲間になれなんて言わないけど
…っていうか女は入れないんだけどさ。
俺女友達とかいないし。

それに、無法地帯なブラスパを変えてくれる気がする。
桜子なら。」


「………でも、私のことなんか誰も受け入れないでしょう。」


「そうかな。
少なくともその格好ならかなりウケはいいと思うけど。
男なんて単純なもので、美人には弱いんだよ。
隼斗なんかかなり桜子のこと見てたしな。
ぶっちゃけ惚れてるんじゃねーかなと俺は思ってる。」


「え、隼斗さんがですか?私を?」


「そ。
だって桜子、まじで隼斗好みの女になってるから。
ただ好きな女には素直になれない性分だからなー。

それに蓮も、本当はかなり桜子のこと気になってる。
恋愛とかじゃなくてな?
桜子がどんなやつなのか、かなり気になってる。

オチケンはもう桜子のこと友達だと思ってる。


桜子は今まで関わったことのないタイプだから戸惑ってるところもあるだろうけど、それでも蓮もなにか感じてる。
こいつといたらなにか変わるかもしれないって。

蓮は高1で前の総長潰してるから、ぶっちゃけ受け入れられていないところも多いしな。
だから下になにも言えない部分もあるんだよ。
だから、怖いものなしでなんでも言える桜子にはそばにいてほしいんじゃね?
まぁあいつも素直じゃないところもあるしさ。

………俺がここまでいってるんだから、戻る気ない?」


「…………本当に、いいんでしょうか。」


「難しく考えなくていいよ。
桜子は俺らに勉強を教えてもらう
その程度でも。
受け入れる覚悟さえあればね。」


「受け入れる覚悟、か…」