「………お知り合いですか?」


とりあえず大津くんの手を私の肩から外し、大津くんに問う。


「ブラスパのやつだよー。」


「へー、暴走族か。」


やっぱそういうやつの集まりなんだな。
所詮ね。


「あの快斗さん…
この人は…?」


「あぁ、桜子ちゃん。
俺のクラスで、未来の俺の彼女だから。
美人だろ。」


「は、はい!とっても!」


「…私は大津くんと付き合うつもりもないし
しかも急にそうやって態度変えるのもどうかと思いますけど。
私のこと殴りたかったんじゃなかったんですか?」


「まぁまぁ、いいじゃん!」


まぁ別にどうでもいいけどさ、本当は。
でもこいつらのその縦社会のお世辞がむかつく。
本音と建前なんだろうけど。


「桜子、こっちこい。
快斗も。やるぞ。」


黒崎くんにそう言われたから、私は大津くんに手を引かれて戻るしかなかった。


私たちが黒崎くんの元へと戻ると、先程"タカ"と呼ばれてた人たちは出ていこうとしたから


「やめた方がいいとおもう。」


その前に私はもう一度話しかけた。


「あなたたちはお金を楽して手に入れて幸せかもしれない。
だけどさっきの人たちは?
きっと少ないおこづかいでやりくりしてるはずなのに、あなたたちに持ってかれるほど悲しくて悔しいことはないはず。

ルールを守れないこと、人に優しくできないことがどれだけ恥ずかしいことか知った方がいい。
そんな当たり前のことができないあなたたちは幼稚園児以下だということをちゃんとわかっていた方がいい。」


私はそういって大津くんから離れ、この二人組に近づいた。


「私がムカついて、殴りたいなら殴ればいい。
だけど、ムカついたってことはあなたたちは自分の弱さと幼さを認めたことになることも忘れないで。」


私がそういうと、彼らはそそくさとお店を出ていった。