「………あれ、でもあの人は確か年上だったような…」
お兄ちゃんより…
「うん、もう23歳じゃないかな?
蓮の幼馴染みではあるけど、俺らとは仲良かったわけでもないしね。」
「………なんか、23歳でまだ暴走族なんてやってるんですね。」
「はは、本当だよね。
定職にもついてないみたいだし。
だいたい総長ってヤクザとかからスカウトされたりするんだけど、総長やめるとまた下から、ってのが龍一はいやなんじゃん?
あいつは好き勝手やっていたいやつだし。」
「………じゃあ黒崎くんもヤクザに行くんですか?」
「はは、まさか。
蓮は大学にいくから、20歳くらいでやめるんじゃない?」
「へぇ、大学生になるんですか。
頭いいですもんね。」
「今はいいけど、大人になったら全うに生きてた方がいいこと多いしな。」
「今も全うに生きてた方がいいことありますけど。」
「ガキの間は勉強さえできりゃ困ることはねーんだよ。」
「………なるほど。」
つまりこの人は要領よく生きてるのか。
いいな、そういうの。