「ひとつきいていいですか?」


「うん、なに?」


「あなたたちは元々仲がいいんですか?
それとも暴走族に入ってから仲良くなったんですか?」


「んーとねー
ゆっきーとオチケンは西中、俺と蓮と隼斗が野市中で、俺ら3人とゆっきーたちは族入ってから。

俺と蓮と隼斗は中1からブラスパ入ってて、ゆっきーたちは中3から。
だから俺らのが本当は先輩になるわけ。」


「ブラスパってなんですか?」


「ブラックスパイダーの略だよ!」


「へーなるほどね。
暴走族って男性しかいないんですか?」


「そうだよ!
女は女でレディースとかあって、連携組みたい的なやつも多いんだけど、蓮が今のところは全部切ってるからブラスパは本当に男だけ。」


「どうして断ってるんですか?」


「蓮は女ダルいやつだから。
ね!」


と大津くんが黒崎くんに話をふると


「腹立つやつしかいなくてつまんねーしな」


と、少し笑いながら言った。


「………ちなみに、あそこは女の私が入ってよかったんですか?」


「んー、本当はダメなんだろうけど、俺はそういうの守んないしー。
それに今の総長は蓮で、蓮がなにも言わないから大丈夫。」


ふーん…つまりは総長が絶対的意見を持ってるってことか。
社会主義ってことか。


「あの、私の中の暴走族のイメージは抜けたいとか言うと暴力を振るわれるイメージなんですけど、実際はどうなんですか?」


「んー、理由にもよるかなー。
やり方が嫌になってやめるとかならそりゃボッコボコだろうけど、やりたいことができた的なのなら、禊(みそぎ)を済ませて卒業、かな。」


「禊…って、滝に打たれたりとかですか?」


「まさか。
全員で一発ずつそいつを殴るんだよ。
それが俺らの送り出しかた。」


「………結局は暴力なんですね。」


なんか、嫌なところと関わっちゃったなぁ…。