「あの、着替えましたけど…」


「ん?あぁ。
………へぇ、そっち系出来たのか。
快斗のことだからもっとギャルっぽいので来るのかなーと思ったけどちゃんと女の子とわかってるんだな~。」


用意されていたのは白のワンピース。
下の部分だけ、大きな花柄の…清楚なものだった。
それに白のカーディガンと、ベージュのパンプス。

あんだけ汚い性格を見せたのに、選んできたのは本当に清楚なもので…着こなせてる自信は全くない。

こんなヒールなんて初めて履いたし…


「ちょっともう一回座って。
髪型変えるわ。」


そういって、私を座らせて耳より上の髪の毛をとり、くるくるしてまとめた。


「うん、こっちの方がいい。」


「はぁ…」


「じゃあ行こ。
快斗待ってるしね。」


「はぁ…」


………これで会うの?
かなり恥ずかしいんだけど……
こんな髪の毛まとめたのだって何年ぶり…?
もっと顔隠した髪の毛のがいいんだけど………


「快斗お待たせ~」


えっ、もうそこにいるのね………


「………桜子ちゃん…?」


「………なんでしょうか…」


「えぇ!?うそ!まじで?」


「いや、どんだけ驚いてんだよ。」


「だってめっちゃ変わってるから…」


「そりゃ俺もプロだから。」


「いや、絶対元がいいからだな。
つーことで俺らはいくわ。
ありがとな~」


そういって、大津くんはまた私の腕をつかんだ。


「あ、あの…お金は…」


「ん?いいよいいよ。俺んち金持ちだし。
それにこんな可愛くなった桜子ちゃん見れたしね!

にしてもここまで変わるとは俺もビックリ。
髪の毛染めたんだね~。」


「なんか知らぬまに…」


私の髪の毛は明るすぎないブラウンとなっていた。


「雰囲気もめっちゃ明るくなったし!
前髪は長いままで絶対正解!美人系だもんな~」


………はぁ…。