「じゃあ好きになってよ。」


ま、俺はそんなことくらいじゃ諦めないけどね。


「…………はい?」


「俺、桜子ちゃんのこと気に入っちゃったからさ。
俺のこといっぱい知って、好きになってよ。」


「…………無理です。」


「なんでー?」


「興味ないです。
友情も、恋愛も。」


「…………友達、いらないの?」


「いらないとかじゃなくて、必要ない。」


いや、それどう違うんだよ。
意味不明なんだけど。


「とにかく、もう話しかけないでください。」


と、最後に目を合わせてきつくそう言われた。


桜子ちゃんはすぐにまた参考書に目線を戻したけど
…………でも、学校って勉強だけする場所じゃないよ。

友達いっぱいつくって、いっぱい遊んで
彼氏つくって、青春楽しむ場所でもあるんだよ。


なんで、そんな寂しいこと言うんだよ。