あーあ、地獄の朝が来た。もう、やだ。
学校なんて行きたくない。前の担任は
「新しい出会いもあるからさ!」
なんて張り切っていた。転校生が来る訳でも
ないだろうし、先生だけだろ。本当無理。
「歩夢!!起きなさい!!」
お母さんが呼んでる。行かなくちゃ。
私はお母さんを信頼している。それに
尊敬している。お母さんって感じで
歌が上手くて、聞き上手で、美人で、
私にはないものをたくさん持ってる。
そんなお母さんが羨ましい。だけど、
高校を中退したと聞いてその理由は
“ 必要のない知識ばかりだから ” だ。
それでも私は安心した。だからせめて
私は中学校だけでもちゃんと行くのだ。
私は階段を降り、リビングへ向かい
テーブルの上に出されていた
ご飯と目玉焼きを食べ始めた。
いつもと変わらない朝ご飯に安心した。
「何も気にせず張り切って行っておいで?」
お母さんはそう言い微笑む。
「ん、ありがとうお母さん」
私もそう言い微笑む。
そして、歯磨きをし、顔を洗い、
制服を着て、逆さまつげを上げて
準備を全て済ませ、リュックを背負い、
「行ってきます!」
少し張り切った声で言ってみせた。
外には新学期を迎え、楽しそうな
小学生がいた。気楽そうでいいなあ。
私にもこんな時期があったっけ。
そう考えてるうちに学校に着いた。
人がわんさかいてびっくりした。
やっぱりみんな張り切って早めに来て
クラスがどこだとか確認をしている。
「おはよ!」
後ろからいつもの優しい声で心友の
釜田幸音(かまだゆきね)が言った。
「ん、おはよー」
私はいつもの活力のなさそうな声で
返して、そのままふたりでクラスを
確認しに行った。
行くまでにも
“ え、歩夢じゃん。 ” 等と声が聞こえる。
来て悪いのかよって思いながら歩く。
そしてまさかのクラスは離れた。
私はA組で幸音がC組だ。
「わーお、離れちゃったね。」
幸音が苦笑いで言った。
「でも帰りとかは一緒ね!」
そう私が必死に言うと
「わかってる」
幸音がそう笑ってくれた。
「あゆーおはよーっ」
後ろから私と少し仲がいい
石橋美香(いしばしみか)が来た。
「おはよーう」
そして美香はクラスを確認して
「あ!あゆと同じだ!やったー!」
と喜んでいる。私は別にそこまで嬉しくない。
「でも元彼いるじゃーん」
私にそれを嬉しそうに言う。
それを見ると幸音は溜息を吐き笑った。
そして、仕方ないから3人で2階へ行く。
「したらね」
そう言い幸音はC組に入って行った。
まあ仕方ない決まったことだ受け止めよう。
そう思いつつ、元彼の話を続ける美香を
止めずに聞いていた。そうすると、
“ あいつ不登校だったよな? ” と
男子がコソッと喋るので
「そうだけどなに?」
と言ったら男子が
“ 怖 ” と言い逃げていった。本当腹立つ。