「そろそろあの、準備を始めなきゃね」
先生が朝の会で言う。何のことだろう。この季節になんかあったっけ。他の人も首を傾げている。
「えーっ!分からない?野外学習です!!」
クラスの皆がザワつく。そういえばそんなのあったな...
私の学校では二年生になると愛知県の稲武という所に2泊3日で野外学習をしに行く。キャンプファイヤーとか、バスレクとか...ちょっといやすごく楽しみかも。
「でも、まだまだ先じゃないですか?」
クラスの1人が先生に言う。その通りだ。今は7月、野外学習は10月にある。まだ3ヶ月も先なのに何をやるんだ。
「みんなダメだなぁ。稲武野外学習は、私達先生が作るんじゃないんだよ。君たち生徒がそれぞれ『実行委員』となって野外学習を作り上げるの!だから私たちはほとんど何もしないから、君たちでレクリエーションや、キャンプファイヤーとか...いろいろ考えてもらうの。」

おおおっ!とクラスが盛り上がる。私もつられてテンションが上がる。すぐに「なんの実行委員やる?」とか「わたしトーチやりたい!!」などの声が上がる。

「はいはいはい!落ち着いて!まず前にどんな実行委員があるか書いていくから、何やりたいか決めてね。」
先生が黒板に実行委員を書いていく

書かれたのは

・キャンプファイヤー実行委員
・トーチトワリング実行委員
・レク実行委員
・当日司会進行実行委員

の4つ。

私は迷うことなくトーチを選択した。トーチなら小学校でもやったから、多分出来るはず。でもクラスの殆どがトーチを選択しているから、なれるかどうかは分からない。なれなかったらどうしようかな。

と、ここで遥と目が合う。そういえばこいつは何をやるんだろう。一緒だったら...
「...はぁ。何考えてるんだ私は。」
遥が何の実行委員だろうとどうでもいいこと!! そう、どうでもいい!!!!今は無事トーチ実行委員になれるのを願うだけ。