6月。中学校に上がって2度目の夏に近づいている。校庭の木はたくさんの葉を青々と茂らせて、風に吹かれている。そろそろ蝉も鳴き始める頃だろうか。

今日、私のクラスは席替えがある。私はクジ運はいい方じゃないから、どちらかと言うと席替えはあまり好きじゃない。

「クジ引きましたか。」
先生の声がする。クラスの皆は、何番だった?などと聞いたりしていてきっと聞いていないだろうけど。
「秋(あき)、何番だった?」
友達が私に聞いてくる。やっぱ皆気になるもんなのかな。
「私は12番だったよ。葵(あおい)は何番だったの?」
「20番だよ。番号ちょっと遠いね。席も遠かったらやだね。」
「そうだね、願っとこっか。」
ふふ、と葵は笑うと自分の席についた。周りもぞろぞろと自分の席についていく。私も急いで席に戻った。

先生が順番に黒板に番号を書いていく。私の番号も書かれた。廊下側から2番目の前から4番目だ。ほうら、やっぱりクジ運悪い。でもなんとか葵とは近くになれたからまぁ、いいかな。
先生の合図で皆が机を移動させてく。そういえば、周りの人誰だろう。なんて考えながら私も机を動かす。

私の中学校は2つの小学校が合併して中学に上がるため、学年の半分ははじめましてのひとだ。だからクラスも半分位は去年初めて出会った人が多い。
でも、ラッキーなことに私の隣は小学校からの知り合い。よろしく、と言いほっとして席に着くと前の人と目が合う。男子クラス委員の今井遥(いまいはるか)だ。
なんか怖そうだから喋ったことはない。だから席近いのちょっとやだな。