「佐倉くん好きな人いないって!」
紗英の席を歩美と囲んで、こっそり、教えてあげた。
「ほんとに!由梨聞いてくれたんだ。絶対聞けなそうって思ってた。」
「それは…私も。」
「ははっ。でもよかったじゃん。今は違うけど、これから両思いになれるかもしれないってことでしょ?」
「んー歩美はそう思う?」
「もちろんっ。だって、紗英かわいーもん。」
「ははっ。でもさぁ、そうなれたらいいよね。由梨、これからも頼んだよ!」
「うん、もっといろんなこと聞いてみる!」
恋する乙女の顔はほんとうに可愛くて、見ているこっちまで幸せにしてくれた。叶うといいな、紗英の気持ち。