「最悪。」
「ごめん…私も何も言えなくて…。」
「いいよ、由梨は悪くないもん。少し調子乗りすぎたかなぁ。」
「しょうがないよね。好きな人と話せたら、嬉しくなっちゃうよ。」
「ねぇ、でもさ、逆に良かったかも。」
「えっ、なんで?」
「だってさ」
そう言うと私の目を見て
顔を輝かせながら
「協力し易くなったじゃん!」
そう言った。
紗英は自分が佐倉くんに聞きにくいことを、私に聞いて欲しいと頼んだ。好きな人はいるのかとか、好きなタイプとか、そういうことを。
「…ねぇ、これって良い作戦だと思わないっ!?」
「うん、でも…私にできるかな…話したことないのに、いきなりそんなこと聞いて変じゃないかな?」
「うーん。すぐにじゃなくてもいいよ。慣れてきたらお願い!」
そんな目でお願いされたら、断るのが辛くなっちゃう。
「…うん、わかった。紗英のためだもんね、がんばる!」
そして私は半強制的に、作戦に協力することになった。
そしてチャイムが鳴ると、おそるおそる、佐倉くんのとなりに座った。