佐倉くんへの気持ちを隠したまま春休みを過ごし、私たちは六年生になった。
いつもどおりの時間に登校したのに、クラス発表があるからか、すでにたくさんのひとがいた。
「由梨〜!また同じクラスだね!」
「もぉー先に言わないでよ〜!やったあー!」
「紗英だけ二組…離れちゃった…」
「うちら二人で毎日会いに行くから落ち込まないで!」
「ううん、佐倉くん…」
振り分けられた名前が書いてある紙を見ると、佐倉くんの名前は一組の方にあった。
「…大丈夫だよ、休み時間ならクラス入っても問題ないっしょ。」
「そうだよ、それに私も協力するから!」
「…うん。ありがとう!」
教室の前で紗英に手を振ると、少し新鮮な気持ちで、六年一組の教室へ入った。