その日の夜、僕は考えていた。 高梨さんも日向も自分から別れを告げた。 原因は相手にあるのか、それとも僕にあるのか。 ゆっくり、時間をかけて。 でもいくら考えても答えに辿り着くことはなかった。 なぜなら、僕たちは確かに想い合っていたはずだから。 「もうこんなこと考えるのはやめよう。忘れなきゃ」 しんとした自分の部屋でぽつり、と呟いた。 そう…忘れなきゃ。 忘れないと………