「唯、くん」


暗い部屋の中で、少しだけ目が慣れてきて。

目の前に綺麗な唯くんの顔があって、ドキンと心臓が跳ねる。



「……そんな顔すんな。我慢できなくなる」



唯くんはそう言って、きまり悪そうに私から目を逸らす。その頬が少し赤い気がしたのは、私の気のせいかな。


「唯くんが隣にいると、怖いのよりドキドキが勝っちゃうね」



くすくすと笑ってそう言ったら、唯くんがはぁ、とため息をついた。



「……お前、どういう状況かわかってる?」



「え……」



首を傾げた、瞬間。

唯くんが、私に覆いかぶさった。