「唯くん、寒いよね!シャワーでも浴びて!」
慌ててお風呂場からタオルを持ってきて唯くんに渡しながら、お風呂まで案内する。
「お邪魔します」
礼儀正しくそう呟いて、唯くんが私の家に入る。唯くんが家にいることが不思議で、ドキドキしてしまう。
「ここ、お風呂!シャンプーとかなんでも使っていいからね。服は……えっと、お父さんのTシャツとかでいいかな……?」
「ごめん、助かる」
こんなに濡れると思わなかった、と笑いながら、唯くんがお風呂場に入る。
……その前に。
「怖くなかった?」
ぽんぽん、と優しく私の頭を撫でてからお風呂のドアの向こうに消えた唯くんに、さっきまで怖かったのとは別の意味で心臓がうるさい。