ふぁうっ!


思わず変な声をあげてしまった。


甘党にもほどがあるでしょ!?

何だその量。

普通にお肉や野菜よりも多いんだけど。

なんか微妙に笑えるんだけど。



でもそれなら私も買っちゃおっと。






「…あ、でもこれは多すぎ。
三つくらいは戻してきてね」




「……」




そんな可愛い顔したって無駄だから。

私には通じないから。








「……」





だから、無駄だから。





「……」










「………わかったよ!!!
可愛いから許す!!」





イケメンの悲しそうな顔って
どうもこう、こんなに可愛いの…。

完全に負けた。



そのあとお会計をして
(ちなみに食費は半分ずつ)






家に帰ると

「おっかえり〜」


こなれ感を醸し出してる成瀬さんが笑顔で私たちを迎えてきた。






「……帰れよ」

「え〜無理」




おきまりのやり取りが終わったあと成瀬さんに声をかける。




「成瀬さんはいつもご飯はここで食べていかれるんですか?」




「そうだよ〜ん!」



「………きも」




成瀬さんの回答に日向くんのきもっと呟いた日向くんに



「じゃあいつも日向くんがご飯作ってるの?」



そう聞けば



「成瀬は料理出来ないからな、仕方なく」



…日向くん、料理も出来ちゃうんだ。




なんかハイスペックすぎて怖い。




これで勉強まで出来ますとか言われたら
もう私生きていく自信なくなる。






「お前は料理できる?」




「うん、得意な方だと思う」



「………じゃあ一緒に作るか」




そう言う日向くんの顔はなんだか楽しそうで。



…一緒に?


その言葉に私もワクワクする。





「うん!」




誰かとご飯作るの初めてだ。
たのしみっ