「はい…ありがとうございます…っ」


成瀬さんにお礼を言った瞬間





バンッッッと強烈な音がして開かれた扉。







「……遅い」







そこにいたのは日向君で。



「あ、日向おはよ〜」


「お前は起きるの遅いんだよ、ノロマ」


「朝からひどくね?」








のそのそとベットを降りる成瀬さん。



と、その時私を見つめる日向君と目があった。



「……泣いたのか」





そう言いながらこっちに歩いてくる日向君。


はっとして慌てて
涙を服の袖でゴシゴシと拭えば




「擦るな、赤くなる」




日向君に止められた。


「日向、ごめんな〜。俺が泣かせちゃった」



いつの間にか扉のところにいる成瀬さん。


「え、ちが「だから後は頼むね〜」







違いますという私の言葉は
成瀬さんの言葉により遮られた。


私が勝手に泣いたのに…

出て行った成瀬さんを見ていると



「……あんまり泣くと
また不細工なパンダになるぞ」



日向君に笑われた。



私も笑いながら

「ですね」

そう答えると
日向君の大きな手が私の頭に置かれた。








「話くらいなら俺も成瀬も聞けるから。
不細工パンダになる前に言えよ?」









ーーーーー…本当に


ここはどうしようもなく暖かい場所。