「…すみません、成瀬さん」
せっせと色んなことをやってくれる成瀬さんに謝ると
「ん?何で謝るの〜」
なんて言ってふわりと笑って私からペットボトルを受け取る。
いつも子供みたいとか思っててごめんなさい。
今の成瀬さんは子供じゃなくて…お兄ちゃん、みたい。
私に兄弟はいないからどういう感覚かはわからないけど。
「あ、おかゆ食べたらアイス食べる?
日向にさっき買いに行かされたんだよね〜」
…あ、私さっき日向くんにアイス食べたいって言ったんだっけ。
「…はい、食べたいです」
「うんうん、ゼリーもプリンもヨーグルトも果物もあるからね。食べたいものあったらなんでも言うんだよ〜」
あまりの準備の良さに
「…買いすぎじゃないですか?」
そう笑って言うと
「ん〜?愛花ちゃんのためだもん。
いくらでも買っちゃうよ」
「…ふふ、ありがとうございます」
「あ、信じてないでしょ〜?」
「そんなことないですよ」
ぼんやりした頭の中で考えることは
日向くんの彼女(がいるのかはまだ不明だけれども)はきっと大切にされるんだろうなとは思っていたけど、成瀬さんの彼女も(もいるのかは不明だけれども)大切にされるんだろうなあ。
ということ。