「…て…こい」


「……った、ほか…」





薄っすらとした意識の中
誰かの声が聞こえてくる。



……これは日向くんと成瀬さんの声?


ゆっくりと瞼を開けると目に飛び込んでくるのは真っ白な天井と人工的な光。


そう、見慣れた私の部屋。





目だけを動かして周りを見てみると
日向くんと成瀬さんが忙しなく動いている。


そんな光景をぼーっと見つめること数秒




「起きたのか」




私の視線に気づいたのか日向くんがベットに近寄ってくる。





「…うん、おはよう」


「いま夜だけどな、おはよ」


「…え、今何時?」


「8時。ていうか何も食ってないだろ?
おかゆつくったけど食べれそうか?」


「…うん、食べたい」


「わかった。温め直してくる」


「…ありがと」


「ん、成瀬いるからなんかして欲しいことあったら何でも言えよ」


「…うん」








日向くんがおかゆを温めに行ってくれてからすぐ





「はい、水飲んで?」


「体起こすの手伝うよ」


「寒くない?もう一枚毛布持ってこようか?」


「一回熱計ろっか」






…………成瀬さんが懸命に看病してくれた。