「熱は…まだ下がらない、よな。
なんか食えそうなもんあったら言えよ。
それからちゃんと布団かぶれ」




そう言って布団を掛け直してくれる日向くんがまるでお母さんのようで、思わず笑えば




「…よかった、
一応笑えるくらいの元気はあるんだな」






そう言ってホッとした様子で
ベッドに腰を掛けた。





心配かけたくないし迷惑もかけたくない。

だから早く治さなくちゃ。

弱ってる場合じゃないんだって。







「水は飲めるか?」


そう聞かれ、首を縦に振れば



「ほら」





渡されるキャップを外されたペットボトル。



お礼を言って受け取り
そのまま水を口に含む。






「…っ、ケホッ」




やば…、
勢いよく飲み込んだせいでむせた…。








「おい、大丈夫か?」


日向くんは口元に垂れた水をティッシュで拭いてくれむせる私の背中をさすってくれた。





…日向くんの優しさに感動しつつ
これ以上は迷惑かけられないと思い






「…ごめんね、迷惑かけて。もう大分良くなったし成瀬さんとご飯食べてきて?」







そう笑って言えば







「良くなったって…そんな赤い顔してよく言えるな。本当は今すっげぇ苦しいんだろ?」





おでこを触られ苦い顔をされた。