「アズマ‼︎」


アズマのもとへ駆け寄り、両肩を揺する。


「アズマしっかりしろっおい、アズマ‼︎」


しかし、アズマはビクともしない。


俺は肩からさげていたカバンからペットボトルに入っている水を取り出す。


そしてペットボトルをアズマの口につけ、水を流しこんだ。


頼むっ目を開けてくれ…


死ぬなっ


起きろよアズマ‼︎


「アズマっ‼︎」


その時だった。


「ゲホッ」


アズマがむせて咳き込んだのを聞いた。


「アズマ⁉︎アズマっしっかりしろ‼︎」


呼びかけが聞こえたのか、アズマは薄目を開けた。


「た…たくむ?」


その瞬間、全身から力が抜け安堵の息をもらした。


アズマは生きている。


「アズマ…よかった…」


「何で…お前がここに…?」


アズマは脱水症状のようでうまくしゃべれないようだ。


状況も飲み込めないでいる。


「説明はあとだ。早くここから出るぞ」


早くしなければ、さおりが来てしまうかも知れない。