でも今日はどうしても自分のアパートに帰りたくない。


てゆうか、帰れない。


それに、さおりと一緒にいれば少しでもアズマに対しての怒りを忘れられると思った。


『頼む。一晩だけ』


『…わかった、いいよ。待ってるね』


さおりは少し間をおいた後、承諾してくれた。


『すぐ行くから』


電話を切った後、走ってさおりのアパートに向かった。


アパートの階段を駆け上がり、さおりの部屋の前に着いた。


ピンポーン…


インターホンを鳴らすが、さおりは部屋から出てこない。


もう一度押してみたが、応答がなかった。


風呂にでも入ってるのだろうか…