ジュジュの息が一瞬止まった。

 リーフに振り返り、また対峙する羽目になる。

「それなら、私が訊こう。ジュジュ、私の事をどう思う?」

 リーフの強気の目許。

 それがこの時突き刺さるようにジュジュを見ている。

 追い詰められて、逃れられない強制があった。

 力を込めて掴まれたところが熱く、じんじんとする。

 一向にその手を離そうとしないリーフの意気込みに飲み込まれ、ジュジュはその場で固まってしまう。

 いつまでも、リーフの質問に答えない、いや、答えられないでいると、リーフは掴んだジュジュの手を強く自分に引き寄せた。

「ジュジュ、私をしっかりと見ろ」

 リーフは避けられない命令を下すように視線を向け、答えを無理強いさせようとする。

 視線を逸らしがちにジュジュは、やっとの思いで声をだす。

「何を仰りたいのか、私にはわかりません」

「いや、ジュジュは私が気になっている。そうだろ」

「それを確かめてどうされるおつもりですか?」

「それはその答えを聞いてから決める。さあ、正直に答えるんだ。ジュジュは私の事をどう思ってるんだ」

 リーフの掴む手に更なる力が入り、ジュジュは痛さで顔をゆがめた。

「離して下さい。手が痛いです」

 顔を背け、ジュジュはリーフから逃げようとする。

 リーフが助けてくれた人であるのに、その思いはドキドキとして、決して悪い気はしない。

 それでも、ジュジュは素直に自分の感情をさらけ出せず、心に何かが引っかかる。