5
「リーフ」
小声で名前を呟くジュジュの声は消え行く吐息のようだった。
聞きたい事はあるのに、その後声が伴わず、その先は口がわなわなと恐れるように震えてしまう。
「どうした、何か私に言いたいことがあるんだろ」
脅迫にも似た、強い威圧感。
確かめたい事はあるが、身が竦んでしまい、その後は何も言えなくなる。
目の前の人がずっと思い焦がれた人であるというのに。
「…… いえ、別に」
やっとの思いで口をついて出た言葉は、自分でも虚しかった。
「でもジュジュが呼んでるってバルジから聞いたのだが」
「えっ、私が呼んだ? いえ、私は何も言ってません」
突然の事にジュジュは戸惑い、リーフは怪訝に顔を歪ませた。
「しかし、私を見たとき、何か言いたそうだったが」
ジュジュは心の中で葛藤する。
この機会を利用して本人に確かめるべきか、否か。
口許だけは、何かを伝えたそうに微かに動くのに、喉の奥で声を止めているそんな状態だった。
リーフはそれを見逃さない。
ジュジュが何を言おうとしているのか自分の耳で確かめたくなる。
「やはり何かをいいたそうにしてる」
ジュジュは首を横に振り、リーフを避けるように井戸の側に置いてあった水桶に手を伸ばすと、リーフはいきなりその手を掴んだ。
「リーフ」
小声で名前を呟くジュジュの声は消え行く吐息のようだった。
聞きたい事はあるのに、その後声が伴わず、その先は口がわなわなと恐れるように震えてしまう。
「どうした、何か私に言いたいことがあるんだろ」
脅迫にも似た、強い威圧感。
確かめたい事はあるが、身が竦んでしまい、その後は何も言えなくなる。
目の前の人がずっと思い焦がれた人であるというのに。
「…… いえ、別に」
やっとの思いで口をついて出た言葉は、自分でも虚しかった。
「でもジュジュが呼んでるってバルジから聞いたのだが」
「えっ、私が呼んだ? いえ、私は何も言ってません」
突然の事にジュジュは戸惑い、リーフは怪訝に顔を歪ませた。
「しかし、私を見たとき、何か言いたそうだったが」
ジュジュは心の中で葛藤する。
この機会を利用して本人に確かめるべきか、否か。
口許だけは、何かを伝えたそうに微かに動くのに、喉の奥で声を止めているそんな状態だった。
リーフはそれを見逃さない。
ジュジュが何を言おうとしているのか自分の耳で確かめたくなる。
「やはり何かをいいたそうにしてる」
ジュジュは首を横に振り、リーフを避けるように井戸の側に置いてあった水桶に手を伸ばすと、リーフはいきなりその手を掴んだ。