リーフは目を細め、ジュジュの視線を撥ね退けるように顔を顰めた。

 そして踵を返して用はすんだとばかりに去っていった。

 それはリーフらしい、いつもの態度ではあるが、ジュジュには胸を締め付けられるくらい辛かった。

 リーフを呼び止めたいのに、それができず、リーフはジュジュの事など一切気にせずに背中を向ける。

 リーフにはジュジュの存在などどうでもいいと思えてならなかった。

 そこに同じ顔をしたセイボルが思い出される。

 セイボルはジュジュの事を常に考え、ジュジュのためにと魔術を使って楽しませてくれる。

 セイボルとリーフのポジションが反対だったらいいのにと都合のいい事をつい思ってしまう。

 それを考えた時、ジュジュは恐ろしいほどの罪悪感に苛まれ、どちらにも失礼で申し訳ないと思ってしまった。

 自分は一体何を考えているのか。

 ジュジュは自分がとても嫌になっていた。

 皆から心配され、常に様子を伺う視線がジュジュに向けられると、皆の気遣う気持ちは有難いと思っても、ジュジュは居心地が悪くなる。

 見られている時は気が抜けないくらい、むきになって掃除する。

 何度も同じところを掃除しているというのに、それに気がつかないくらい、ジュジュの心そこにあらずだった。