「モンモンシューならここに居るが」

 皆、声のする方に振り返れば、モンモンシューを肩に乗せたリーフがダイニングルームに現われた。

 ジュジュは雷に打たれたように体がピリピリとスパークする。

 内心声を出しそうに発狂しそうだった。

「昨晩、窓を叩かれて、何かと思ったらこいつが現われた。窓を開けたら入ってきて、人懐こいから仕方なく一緒に過ごした。なかなか私の部屋から出て行こうとしないので、直接連れてきた」

「モンモンシュー……」

 ジュジュは絶句する。

 モンモンシューはリーフとセイボルの区別がついてないのではないだろうか。

 ジュジュですら、ややこしくなっているくらいだ。

 ありえるかもしれない。

 リーフがジュジュの側に近づいてくる。

 ──この人が私がずっと恋焦がれて憧れてきた人

 やっと事実が判明したというのに、ジュジュは怖気づいてなぜか後ろずさってしまった。

 リーフは訝しげな表情になり、目つきを鋭く尖らせた。

 モンモンシューをジュジュに渡そうとするが、モンモンシューはジュジュの元に行こうとせず、リーフから離れようとはしなかった。

「モンモンシュー!」

 ジュジュが大声を出すと、それが気に食わなかったのかびっくりしてどこかへ飛んでってしまった。

「喧嘩でもしたのか?」

 リーフに問いかけられ、咄嗟にジュジュは首を横に振る。

 そしてじっとリーフを見つめた。