「山本君、いい人過ぎる。でも略奪愛」
「ってかさ、その紗枝ちゃん。絶対山本君のこと好きだったよね!」
「真弓の言ってる事分かるかも。でもそんな女にわき目もふらず変わらず追いかけてくれる人とか、よくない?一歩間違えればストーカーだけど。あまーい」
「分かるかも。そのギリギリのラインで踏みとどまってくれる人だったらいいよね。あまーい」
「ところでさ、ガンダム個展いたんだね。忘れてたよ」
「本当だよね。篠村マジうちらの涙返せよ」
デザートの最後の一口を食べながら、真弓と景子が好き勝手なこと言って盛り上がっている。
「やっぱり言わなきゃよかった……」
落ち込むわたるの肩を佑香が静かにポンと叩いた。
「元気だしなよノダーマン。いい話だったよ」
「篠村に言われると本当落ち込む」
「なんでうちが言うと落ち込むのー?」
「いや……なんとなく」
その様子を見て、景子と真弓がケラケラと笑った。