「なんで夏休み明けすぐにテストがあるの……」




まだまだ日差しが厳しい朝。




夏休みも明け、今日から新学期。




「絶対いじめだと思う」




美月は朝からテンション下がりまくり。




夏休み明け初日にテストなんかあるのがいけないんだ。




2人で話しながら昇降口に入っていった。




「でね、その人が──」




美月が言葉を詰まらせ、視界から消えた。




いや、正確には後ろで立ち止まった。




一点を見つめて、なんとも言えない表情をしている。




目線の先にいたのは、健吾。