「大丈夫?」




上から優しい声が降ってきた。




「怖いね……」




「それもそうだけど。違くて」




違う?なにが?




キョトンとした顔で見上げていると。




暗闇に呆れたような、なんとも言えない表情が浮かぶ。




「冬馬だよ。彼女とべったりだったじゃん」




2人が寄り添いながら歩いていた姿が、流れるように脳に入ってきた。




隼斗はこういう風にさりげなく、あたしのことを気にしてくれる。




「うん……なんか、思ってたよりは?いや、まだちょっとって感じだけど。泣きたくなるとかじゃないな」